フィリピンが大変なことになりました。
想像を絶する大洪水になってしまいました。
多分、誰もこんな豪雨になるとは予想していなかったのでしょう。
42年ぶりの大雨で、たった9時間で1ヶ月分以上の降水量を記録したそうです。
地域によっては、5〜6メートルも増水したところもあるという凄まじい台風でした。
私も、頭が混乱していて何から書いていいのか解らなくなっています。
とりあえず、この4日間の激動を順を追って正確に書いていきたいと思います。
前回の記事にも書きましたように、私はAkiraさんとのコラボレーションで参加することになりました、この巨大展示会に大きな期待を寄せていました。
9月24日の2日目には、まだ具合が良くならない女房のマリセルが、どうしてもこの展示会に出店している自分のブースをひと目でも見たいということで、私が寄り添って連れてきました。
これがその時のマリセルの写真です。
まだ笑顔が戻らないですね。
厄介な病気です。
この展示会に賭ける私の意気込みは大変大きなものがありました。
1ヶ月かけてこの展示会用に新しいチラシも1万枚作りました。
多くの人達にシュークリームを食べていただき、ブランドを広め、同時にチラシを差し上げることによって、マカティの中心に2店のお店があることを宣伝するのです。
そして、このASIA FOOD EXPOこそが、その絶好の機会になると確信していました。
実際に蓋を開けてみましたら、私の想像を超える注目度に、私自身が驚きました。
期間中、Happy Cream Puff のブースに人だかりが途絶えることはありませんでした。
このブースでは、エキスポ特別価格ではありましたが、実際にシュークリームを販売していましたが、予想を超える売り上げに、配送スタッフに何度も往復してもらってシュークリームを運び込みました。
この会場には、一般の来場者というより、食品業界の方々が多くいらしていたこともあり、かなり多くの方から 「 フランチャイズをやっていますか? 」 という質問もありました。
あるフランチャイズ希望の方は、その場に1時間も留まって、じっと販売の様子を観察していました。
この展示会と、既存のお店とのシナジー ( 相乗効果 ) は展示会2日目から現れはじめました。
なんと、マカティの2店舗の売り上げが急激に伸びたのです。
特に3日目の金曜日には、マカティ店で過去最高の売り上げを記録するほどの売り上げがあり、とうとう展示会場に配達するシュークリームが無くなってしまい、夕方前には展示会場は完売で閉店となってしまいました。
私としましては、嬉しい悲鳴です。
2006年9月にこのシュークリーム事業を始めてから約3年。
最初は売れずに苦しんだことは、今さら言うまでもありません。
シュークリームを1000ペソ売るのがどれだけ大変なことなのかを私は身をもって経験してきました。
ここまでの道のりは本当に厳しいものでしたが、この金曜日に記録した売り上げは間違いなく過去最高のものでした。
最高記録が嬉しかったというよりも、女房が病気であっても、この展示会にすべてを集中するんだという気持ちで望んだ結果が、明日以降の商売に大きく繋がったことが嬉しかったのかもしれません。
これも、この最高の舞台をセッティングしていただいた、Akiraさんのおかげです。
Akiraさん、本当にどうもありがとうございました。
とにかく、この日までの3日間は、私にとって人生最高の瞬間だったのかもしれません。
そして、その時は、翌日に来る悪夢を知るよしもありませでしたが・・・
金曜日に展示会場を早めに引き上げてきたのですが、すでにその時に不吉な前兆が始まっていました。
展示会場から、Happy Cream Puff マカティ店までは、たった4qという近さです。普通ならクルマで20 〜 30分の距離ですが、この日は会場を出るなり、激しい雨とどこの通りも大渋滞でほとんどクルマが動かない状態でした。
結局、お店到着まで2時間以上もかかってしまい、私も運転疲れでヘトヘトになりました。
同時に、この日は全てのスタッフもお疲れモードで、翌日最終日の準備もままなりませんでした。
私も夜は熟睡していたようで、夜通しの激しい雨の音も子守唄だったようです。
2009年9月26日 土曜日
朝から激しい雨が降っています。
お店では、スタッフ達が展示会へ行く準備をしていたのですが、私は、マンションの部屋で、経理処理や当日の展示会の準備をしていました。
その時でした。
一人の男の子のスタッフがマンションの部屋に駆け込んできて、 「 サー、すぐ地下駐車場に来て下さい! 」 と叫んでいました。
私も、何が起きているのか瞬時に理解しました。
マンションの地下駐車場には、私のクルマが1台と、配達用のバイクが1台駐車してあるのです。
その後は、もう頭の中は真っ白でした。
家の中で靴を履きながら、 「 チクショー! 」、 「 バカヤロー! 」、 「 何でもっと早く言わないんだ! 」と叫んでいました。
マンション中はすでに停電していました。
階段をダッシュして駆け下り真っ暗な地下駐車場への階段を下りはじめましたが、その時点でもう私の膝から下に冷たいものを感じました。
この写真は、駐車場へ降りるための階段です。
写真は1階部分の踊り場です。
つまり、すでに地下駐車場の天井まで水が入っているということになります。
すぐに外の状態を見て驚きました。
凄まじい光景です。
マンションの前のマルガイ通りを、ものすごい洪水が襲っていたのです。
写真では解りませんが、かなりの勢いで流れていました。
すぐに、お店が心配になり、この洪水の中を歩いて行こうと思いましたが、深いところだと腰くらいまでの水位があるとのことで、先に携帯電話でお店に連絡を取り、とりあえず全員無事ということを確認してお店にいくのはやめました。
ズームアップで撮ったお店の写真です。
幸いなことに、マカティ店は店舗が1段高いところにあり、それがせめてもの救いでした。
ちょうどお店のフロアと同じ水位になったところで、カフェフロア部分に床上浸水がありましたが、中のスタッフの懸命も作業で一部の浸水で食い止めることができました。
後から、様子を見に来たイチローも初めて見る洪水に言葉もありません。
イチローと一緒に、このマンションの地下部分にあるテナントを見に行きました。
このように、完全に地階のテナントは水没していました。
イチローは、 「 このテナントの人達がかわいそうだ。 」といってシクシク泣き出してしまいました。
幼い心にも、この大災害がどれだけ人々を苦しめているのかを理解しているようでした。
私は、もう1店のレガスピ・ビレッジ店の方も心配になりましたが、前面のデラローサ通りは冠水しているものの、お店自体はかなり高い段になっているので被害はありませんでした。
しかし、私は放心状態だったと思います。
商売上でもっとも大切なクルマを1台と、やはり大事な配達用バイクを水没させてしまいました。
この写真はちょっと衝撃的です。
夜になって水が引いてから、駐車場の入り口に行ったのです。
写真では解りにくいと思いますが、手前が地下へ降りていくスロープのセメントです。
なんとその奥に見えるのが水面です。
つまり、地下駐車場の天井まで水没しているのです。
私は何度も何度も後悔しました。
悔しくて、悔しくて、悔しくて・・・・・
どうして、もっと早く言ってくれなかったのかとスタッフ達や、マンションのセキュリティー・ガードを恨みました。
そして、大型台風が来ていることを知らなかった自分にも腹が立ちました。
この洪水の時は、女房のマリセルは、お店の中にいたのです。
展示会でいつもより忙しいということもあり、体調不良ながら手伝っていたのです。
私は、後になってマリセルをも責めました。
どうして、大洪水になる前に教えてくれなかったのかと。
その後、マリセルやスタッフ達の証言を聞きましたが、その洪水は突然やってきたそうです。
ほんの数分前まで、道路は冠水していませんでした。
まさに鉄砲水が襲ってきたのです。
誰も予想すらできなかったのです。
仕方ありません。
もう誰も責めるのはやめました。
それが災害というものかもしれません。
私はこう考えるようにしました。
あの大増水の3分前にその知らせを聞いて、まだ地下駐車場に水が入る前にクルマにたどり付いて、クルマに乗った瞬間に、スロープから大量の水が流れ込んできたら・・・・・
とても水圧に逆らって急角度のスロープを上がることはできないでしょう。
1歩間違えればクルマの中で命を落としてしまうくらい危険なことだったかもしれません。
そう考えると、あの遅れたタイミングは、神様が助けてくれたのかもしれません。
翌朝になって、地下の店舗部分の排水が始まりました。
非常用の発電機でかなり小型のポンプを駆動させていますが、その排出量は微々たるものです。1時間に数センチという感じです。
これは、昨夜と同じ駐車場入り口の写真です。
水位はほとんど下がっていません。
この濁った水の中に、私のクルマとバイクが取り残されていると思う度に、心が痛みます。
私のとっては宝物のようなクルマとバイクです。
一日でも早く助けてあげたいと思いますが、この調子で水を抜いていたら2週間はかかりそうです。
また、このマンションはお粗末なことに地下駐車場にメイン電源が入っているそうで、水が抜けるまで2〜3週間くらいは停電・断水状態が続くとのことです。
これはイチローの食事風景です。
自然災害に対しては、人間なんて無力なものということを痛切に感じています。
また、繰り返す災害に何の対策もできない発展途上国の力の無さも知ることになりました。
今回の記事は、私を襲った“悪夢”を書いてきましたが、このフィリピンを襲った大災害は、数えきれないくらいの被災者を産み出しました。
そして、そのひとり一人に同じような極限のドラマがあったことでしょう。
街へ出ると、人々が復旧作業に追われています。
また、多くの商店も災害に負けず、もう商売をスタートしています。
私は、その光景を見ながら、フィリピンの人々は災害に強いなと思いました。
大災害の中でも、誰もが生きなければなりません。
もちろん私もそうです。
災害で失ったものもありましたが、そんなことに負けている場合ではありません。
私は、大災害の日も、その翌日もお店を開けました。
災害に負ける弱い気持ちを持ちたくはありませんでした。
フィリピンは、また明日から復興に向けて進んでいかなければなりません。
経済を止めてはいけないと思います。
また、少しずついつもの日常が戻ってくることも確信しています。
人々の疲れた心に、シュークリームが役に立つことも、また社会貢献だと思いながら毎日笑顔でお店を開けていきたいです。
ハッピークリームパフは、この大災害を乗り越えて、また強くならなければなりません。
そして、私が愛するフィリピンという国が、もっともっと良い国になることを祈っています。
ご心配をいただきました皆様には御礼を申し上げます。
Happy Cream Puff は元気です。
これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします。



大変な災難でしたが、ご自分が怪我を
なされなかったのとお店が無事だったことはラッキーととるしかないですね。
これからクリスマスに向けて着々と
売上げの調子が上がっていくと思いますので
ご自愛のほどを。
奥さんの回復を心から願っています。
比での治療が困難でしたら、日本で治療はどうでしょうか? 御自身の心のリラックス等も兼ねて・・・いらぬお節介でしたらご勘弁ください。。
いつか会えることを思ってます。
私の、家内の実家では、床上浸水、お姉さんの家は、屋根を残して水没してしまったそうです。二晩行方不明だった、高校生の甥っ子と姪っ子は、道を流されていたところを、救助隊に助けられ、昨日、腹ぺこ&ヨレヨレで、無事に帰宅できたそうです。
トライスクルもジープも走れず、どこからか現れた、ボートが、市場までの、移動手段だそうで、一回200ペソもかかるそうです。母が、いい商売になるから、すぐにゴムボートを送ってくださいと、冗談(?)を言っていました。
ご来店ありがとうございました。
私よりももっと大きな被害に遭われている方が大勢いらっしゃることを考えると心が痛みます。
それもあってか、なかなか笑顔が戻ってきません。
それでも、明日へ向かって頑張っていくしかにことも事実なんですね。
励ましのお言葉、ありがとうございました。
せっかくマニラにいらしたのに大変なときと重なってしましましたね。
女房へのお見舞いをありがとうございました。
日本で治療というのは良いアイデアかと思いますが、現実的にはお店を離れられないということもあり難しいかもしれませんね。
いつかお会いするときを楽しみにしております。
家がまだ停電のためパソコンをする時間が限られてしまい、お返事が遅くなってしまいました。
展示会は人出が多かったからたまたま売れたということではなく、3年間かかって私と女房でじっくりと商品とブランドを育ててきた苦労が、このような大きな舞台で報われるということなのでしょうね。
あと少しというところまで来た感じがありましたが、今回の大災害に叩かれてしまいました。
人生はなかなかうまくいかないものですね。
また明日から頑張ります。
それしかありません。
甥っ子さんと姪っ子さんが無事でよかったですね。
一日も早い被災地の復興を願っています。
そして山岸さんの苦しみは痛いほど分かります。
奥様の病い…そして洪水による惨禍…。
人生とはかくも苦痛の連続なのでしょうか、しかし今が…今が一番の踏ん張り時かも知れません。
何卒、ファイティングスピリットを奮い起こし頑張り抜いて下さい。
私のような読者は日本から応援させて頂くことぐらいしか出来ませんが、海外で活躍されている日本人をとても誇りに思っています。
応援しています。
フィリピンでの生活でご苦労されているのですね。
私も何度も何度も信じられないような問題に直面してきましたが、それほどまでにフィリピンで何かをやるということは大変なことと今は知りました。
それでもまだ、「フィリピンのために」という思いでこんなビジネスをやっています。
お互いに頑張りましょう。
女房の看病疲れと、クルマの水没のショック、それと台風のときに全身ずぶ濡れになってしまったために体調を崩して2日ばかり寝込んでいました。
こんなことで負けたらいけないことは解っています。
多くの人が応援してくれています。
そして、毎日いらしていただけるお客様こそが、私達の元気の源なのだと思います。
励ましのお言葉、ありがとうございました。
頑張ります。
体調を崩してしまいましたが、それは、現実から逃げたくなったからだと思います。
しかし、寝ていても心配が増幅するばかりで・・・ (私も人の子です、結構弱いところがあります)
でも、結局は、私は他の何処へも逃げ場所もありません。
情熱を賭けてはじめたこのビジネスに集中することこそ自分の進む道だと解りきっています。
さっき友達に、「大雨の後は、きっと晴れるよ!」と言われました。
そうなることを信じて頑張るしかありません。
応援のお言葉をありがとうございました。