2009年08月12日

サインボードへの煮えたぎる想い ( 後編 )

それでは、 「 Happy Cream Puff 看板物語 」 の続きです。


8月7日(金)

午後一番に、マンション経営の会社に出向き、看板の契約書にサインを取り交わしてめでたく契約完了となりました。
私としましては、この日をずっと待っていたこともあり、朝からずっと興奮状態でした。
午後3時に、建設会社の作業者が看板を取り付けに来る約束をしていたので、私も今か今かと待っていました。
しかし、やはりフィリピン人です。
約束通りに来ることはありません。
ようやく夜の8時にやって来て(爆)、作業が始まりました。

事件はここで起こりました。

作業を始めようとしている私達のところへ、このマンションのガード ( 警備員 )がやってきて、看板取り付けの書類を見せてくれと言いました。
私は手元にあった看板に関する書類一式をガードに手渡しました。
その中には、契約書こそありませんでしたが ( 契約書は弁護士が持っているためです )、看板の1年1ヶ月分の看板賃貸料の領収書と、レガスピ・ビレッジの管理事務所が発行した看板取り付け許可証も入っていました。
しかしガードは、このマンション経営の会社が発行する 「 看板取り付け許可証 」 が無いと言い張ります。
私は、マカティ本店にいる女房のマリセルに電話をして確認したところ、そんな許可証はなくても、契約が終了しているので、いつでも看板の取り付けをしてもいいと口頭で許可を貰っているとのことでした。

私は、それをガードに説明しました。
そして、私が、ここのテナントのオーナーであることと、全てのお金も払い終わっていること、そして一日でも早く看板を付けることの重要性を説明し、さらに建設会社の作業員も来ていることを力説し、とにかく工事の開始許可を懇願しました。

そのガードは、優しい感じで、私の言うことを 「 うん、うん 」言いながら聞いてくれましたが、やはり決定権はありませんから、セキュリティーの責任者に盛んにトランシーバーで連絡を取っていました。
私もなんだか嫌な予感がしてきたので、とにかく女房のマリセルをこの場に来るように呼びました。

10分後くらいに、多分、警備のチーフとおぼしき人がやってきました。
私に代わって、今度は、私の女性従業員がそのチーフにもう一度、看板取り付けのお願いをしたのですが、そのチーフはいきなり怒りだしました。

私は、そのときのことを、生涯忘れることはできないでしょう。

そのチーフは、私達にタガログ語でこんなことを言いました。
「このマンションで、どんな作業をするのにも、必ず運営事務所が発行する許可証が要る。
許可証がなければどんな作業も一切することはできない。以上。」
そのチーフはそれだけ言って事務所へ戻ってしまいました。

それは、信じられない言葉でした。
私に対して最大限の侮辱と受け取りました。
そして、その瞬間、悔しくて仕方がありませんでした。

私は、泥棒ではありません。
そして、騒いで住民に迷惑をかけている訳でもありません。
ただ単に、自分が命を賭けて作っているお店に、命といってもいいくらいの 「 看板 」 を付けに来ただけです。
テナントや住民を守るべき警備の人が、言うべき言葉ではありません。

警備会社とは、マンション経営会社と契約している警備会社です。
しかし、その関係は密接です。
警備会社は、そのマンション経営会社のポリシーを受け継いでそのビルを管理するものです。
私は、前回の記事で、このマンション経営会社が、真剣にテナントに入っている人達に優しくしているのかという疑問を発しました。
それに対する答えが今回の事件だったのでしょう。

その直後に、女房のマリセルが到着しました。
看板取り付け許可を、直接聞いていたのはマリセルでしたから、彼女が話しすることが一番確実です。
マリセルは、この一部始終を聞いて、今度は逆ギレです。
私と一所に涙を流しながら、今度は、ガードに食ってかかりました。
私以上に、この看板を取り付けることに執念を燃やしていたのは、マリセルだったのかもしれません。

マリセルも怒鳴っていました。
「ふざけないで!
看板を取り付けてよいという許可を、事務所の○○○さんから実際にこの耳で聞いているのは、この私なの。許可証があろうがなかろうが、そんなことは関係ないわ。
今すぐ、事務所の○○○さんに自宅に電話して事実を確認しろ!
そして今すぐ作業をはじめます! 」
相手は拳銃も持っているガード達です。
しかし、そんなことは関係ありません。

もう、私達2人とも必死でした。
この夜に、看板が付かなければ、もう終わりくらいの気持ちでした。
命を賭けても、このレガスピ・ビレッジ店を完成させなければ未来は来ないことを、私達夫婦を突き動かしているのでしょう。

マリセルの話を聞いてくれたガードが、再びトランシーバーでチーフと話しています。事務所の○○○さんにすぐ電話するように言ってくれています。

待つこと5分、先ほどの悪態をついたチーフが再び現れて、こんどは180度小さい態度で、しどろもどろになりながら看板を取り付けて良いとの説明を始めました。

私達は勝ちました。
別に戦う相手ではありませんでしたが、売られた喧嘩だから買いました。
結局、 「 看板取り付け許可証 」 などというものは存在していないようです。
そりゃそうでしょ。
誰も取り付けない看板に、許可証なんか必要ではありませんから。(爆)


物語としては、これで一件落着なのですが、これで終わってしまっては、起業物語としては面白くないですね。
案の定、まだ面白いエピソードがありますので、もう少し話を続けたいと思います。


夜9時過ぎになって、看板の取り付け作業が始まりました。

こんな感じで、まずは、取り付いている看板の箱を取り外しにかかります。

signboard 4.JPG

取り外した外枠に防水の看板素材を取り付けなければなりません。
取り付けはリベットで行うのですが、建設会社が持ってきたリベッター ( リベットを打ち込む機械です ) が壊れていて全然使えません。
( もちろん私は、壊れている機械を持ってきてどうするんだよ、という突っ込みを入れましたが・・・ )

結局、夜遅くまで頑張ってみましたが、この夜の看板取り付けは叶いませんでした。
それで、看板の枠を建設会社に持ち帰って、看板を枠に取り付けてから、翌日に取り付け作業をすることになりました。


翌、8月8日(土)
看板の取り付け作業の続きがはじまりました。

こんな感じで取り付けます。

signboard 5.JPG

この写真を良く見てください。

signboard 6.JPG

看板の表面が波打っています。

「 おいおい、世界中で表面が波打っている看板なんてみたこともないぞ! 」
なんともいい加減な作業です。

マンションの管理事務所の人も見にきたのですが、やはり見栄えの悪い看板では取り付けを許可する訳にはいかないと言われてしまいました。

それで、また取り外しです。(泣)

取り外した看板のシワシワを修正する作業にはいります。

signboard 7.JPG

イチローも心配そうに見ていますね。(笑)


私も作業を見ながら、「これは、素材をヒーターで温めながら引っ張ってリベットで止めるものだろう・・・・・ 」と突っ込みを入れました。
電話で、詳しい人に確認してみましたら、やはりヒーターで温めながらするとのことでした。
作業員はそんなことも知らずに作業をしています。

結局、何も知らないのに適当にやってしまうというフィリピン人特有の仕事を目の前で見せられてまた落胆です。(はぁ〜)


これは、何度修正しても直らずに、落胆している作業員の写真です。

signboard 8.JPG

これをまた持ち帰り、綺麗に修正して再取り付けとなると、1週間はかかるでしょう。(本当に作業が何でも遅いんです、笑)


私としましては、表面がよれよれでも何でもいいので、とにかく重要なのは看板が付いていることです。
それで、管理事務所にお願いして、後日に修正するとの約束で、このヘロヘロ看板を仮取り付けすることを了解してもらいました。

夕方、私も一日中作業に立ち会っていました。 (見てないと作業員さん達は手が止まってしまいます、笑 )

とりあえず、側面看板は仮取り付け完了です。

signboard 9.JPG


側道側の看板を設置完了後に、今度は前面の看板を取り付けます。

signboard 10.JPG


取り付け作業中ですが、見事なまでに表面がシワシワです。(爆)

signboard 11.JPG


ようやく、2つの看板が取り付きました。

そして夕方、看板に光が入りました。

これは、正面入口側の看板です。

signboard 12.JPG

見事なまでに街路樹がかぶさっていて全然読めません。(爆)
なんと、この街路樹の枝を自分で切ると、レガスピ・ビレッジからペナルティーを受けるとのことです。
それで、正式にレガスピ・ビレッジの管理事務所へ行って余分な枝の除去作業を申請しました。
細い枝の除去作業がはじまるまでに1ヶ月も2ヶ月もかからないことを祈るばかりですが・・・(笑)


マカティのレガスピ・ビレッジの夜空に、はじめて光輝くHappy Cream Puffの文字が浮かび上がりました。

signboard 14.JPG


私は長い時間外に立ちつくしてこの看板を眺めていました。
ここまで来る道のりがあまりにも長く苦しかったこともあり、この光景は私の心を癒してくれました。

この日の感動を、私は一生忘れることはないでしょう。




これで、看板取り付け物語は終わりです。

もちろん看板が付けば全てが上手くいくということではありませんし、これで完了ではなく、これから始まるということも私には解っています。

看板が付いた翌日からお客様が大勢来られるということではありませんが、私も3年間の道のりから、毎日毎日、この看板の下でシュークリームをお売りするという地道な活動を続けていくことが重要だということを知りました。
1ヶ月後、2ヶ月後、クリスマス、半年後、1年後・・・
とにかく少しずつ目標を持って進んでいきたいです。


signboard 15.JPG


このHappy Cream Puff レガスピ・ビレッジ店が、マカティの新名所になることを信じています。







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posted by Happy Cream Puff at 00:02| Comment(6) | TrackBack(0) | 起業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おつかれさまでした。。。
 
でも‥
これからが本当の始まりですね!
 
今年のクリスマスには
お店の前に長蛇の列ができ
それをガードに注意され、

(ニコニコ笑い顔の)山岸さんが謝ってる姿が頭に浮かびます。w
 
 
^^
Posted by Dolphy at 2009年08月12日 12:26
お久しぶりにコメントさせて頂きます。

起業物語を始め、今回のサインボード物語も何度も繰り返し拝読させて頂きました。

まさに、これからフィリピンで起業を考えていられる方々の「バイブル」ですね。
Posted by モコ at 2009年08月12日 19:04
Dolphyさん、こんにちは。

仰られるように、本当にこれから始まるのですよね。
あまりあせるといいことがないので、じっくりゆっくり育てていこうと思っているので、お手柔らかにおにがい(笑)します。

今は8月ですから、確かにクリスマスの頃までに有名になっていれば・・・
> お店の前に長蛇の列ができ
> それをガードに注意され、

ぜひ、注意されたいです^^
もひとつ付け加えるとしたら、マスコミ関係者の駐車違反も注意されたいです。(爆)
Posted by Happy Cream Puff at 2009年08月13日 00:23
モコさん、こんにちは。

繰り返し読んでいただいているということで私も嬉しいです。

「バイブル」ですか。
そう仰っていただけると、また嬉しいです。
これからも、起業をお考えの皆様の参考になればと思いながら書いていきたいと思います。
Posted by Happy Cream Puff at 2009年08月13日 00:33
はじめまして、
ミクシーというSNSからネットサーフィンしてこちらに伺いました。
マカティは高級なので私には分相応な地ではないかな?と中々訪問をためらっておりました。開業おめでとうございます。近いうちに食べに行きたいと思います。
感動してコメントせずにいられませんでした。
ご発展をご祈念申し上げます。
Posted by SORA at 2009年08月14日 08:50
SORAさん、はじめまして。
ミクシーからのご訪問ありがとうございました。
私も、3年前にはマカティは分相応ではないという思いから、馴染みのあるアラバン地区でこの事業を始めました。
今は、雲の上と思っていましたマカティに2軒のお店があることを不思議に思います。
ぜひ食べにいらしてください。
Posted by Happy Cream Puff at 2009年08月15日 01:44
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