2009年10月09日

台風なんかに負けないぞ!


フィリピンを襲った凄まじいオンドイ台風から1週間後。
地下駐車場からの懸命の排水作業の後、ようやく水没したクルマとバイクが出てきました。

私はそのころちょうど体調を崩していました。
あの台風は、多くの人から大切なものを奪っていきましたが、私からも体力と気力を奪っていったのかもしれません。

ちょっと疲れてしまったようです。
そして、あの濁った水の中のに潜っていたクルマとバイクを見たくないという気持ちもありました。

「 廃車 」

になっても仕方がないと思っていたこともあり、それなら見ないほうがいいという気持ちが、体調不良と重なっていました。


これが、ようやく姿を現した私のバイクです。

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2009年式のホンダ 「 ウェーブ100 」です。
新車おろしたてで、まだ走行も少しだけの新品同様のバイクでした。(泣)


水を抜いた時には、かわいそうにも駐車場の床に倒れていたそうです。
洪水になって水が流れ込んだ時に、その水圧で倒れてしまったのでしょう。

メーターパネルもこんな状態でした。

flood bike1.JPG

これで本当に復活するのか・・・・・

出てきたバイクを見ながら、どうするべきかいろいろと考えていました。
実は、このバイクが水没してしまってから非常に困っていました。

Happy Cream Puff には、配達用バイクが2台ありました。
2台ないと、デリバリーの需要に追いつかないからです。
もちろん、四六時中デリバリーがある訳ではありませんが、一日のうちに大体デリバリーが集中する時間が決まっていまして、その時間には複数のデリバリーが重なってしまいます。

前回のブログにも書きましたが、Akiraさんとコラボレーションした展示会は大成功でした。
過去にも、これほどPRに成功した経験はありません。
これもお声をかけていただいたAkiraさんのおかげです。
( Akiraさん、次の展示会にもお声をかけて下さい。笑 )

その成果が、台風大被害のすぐ後にでてきました。
なんと、台風が過ぎ去った後に、今までにも増して忙しくなってきたのです。
台風のすぐ後なので、私も困惑していましたが、自分がしなければならないことを確信するのにそんなに時間はかかりませんでした。

背中を押したのは、女房マリセルの一言でした。

「 配達が間に合わない・・・。 バイクをなんとかして! 」

そうです。
目の前に壊れたバイクがあり、それがすぐ必要です。

という訳で、まだ具合が悪かったのですが、このツナギ服に着替えて工具を握りました。

flood bike3.JPG
( 頭のてっぺんがちょっと薄いところは見ないで下さい、笑 )


私は日本で、スズキ二輪東京という会社にいた時に、3級整備士の資格を取りました。
当時、整備部門に配属になった時にも、「 水没バイク 」の修理をよくしていたものでした。
といっても、もう28年くらい前のことなので、覚えているのか不安もありましたが、とにかくやるしかありませんでした。


実際に修理を始めてみると、昔とった杵づかかもしれませんが、なぜか身体が自然と動き出します。

マリセルがやってきて写真を撮ってくれました。

flood bike4.JPG

なんだか、修理している私は楽しげです。(爆)

今はシュークリーム屋ですが、スズキ二輪時代の思い出はかなり強烈で、楽しいこと、苦しいことなどを未だに夢に見たりするんです。


せっかくバイクを修理するので、とりあえず次の災害に備えて、整備の手順を簡単に紹介していきましょう。(笑)


先ほどの写真はカバー類を全て外したところですが、もう泥だらけです。
外装、内側の汚れがそのまま、エンジン部分にも入っているので、とにかくそれを除去していかなければなりません。

まずは、エアクリーナーを外します。
カバーを緩めたとたんに、水がジャージャー出てきました。

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次は燃焼室のチェックです。

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スパークプラグを外したら、プラグ穴から水が出てきました。
( プラグ穴から水が流れているのが見えますね )


マフラー( 排気管 )も外してみました。

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思いのほか、マフラーの中には水が入っていませんで、恐らく水抜き穴から自然と水が抜けていたのだと思います。


エンジンオイルも抜きました。

flood bike8.JPG

写真では解りませんが、最初に出てきたのは大量の水でした。


キャブレターも取り外します。

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フロート・チャンバーをそっと外してみましたら、中に入っていたのはガソリンではなく水でした。

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まさかフィリピンで、キャブレターのオーバーホール ( 分解掃除 )をすることになるとは夢にも思いませんでしたが、この手のバイクのキャブレターはシンプル構造なのでこんなものです。


一番下右側がメインジェット、左側がスロージェット、その上がニードルとフロート( 浮き )です。

flood bike12.JPG


出てきた時に水浸しだったメーターパネルも分解しました。

flood bike17.JPG

ちなみにこれはメーターハウジング (メーターケースの裏側 )です。
見事に泥だらけです。

flood bike9.JPG

とりあえず水気をとり天日に干して乾かしました。
上手く動いてくれると助かるのですが・・・


心配だったのは、ホイールベアリングです。
1週間も水圧にさらされていたので厳しいかなと思っていました。

flood bike13.JPG

ばらして見ると、なんとベアリングは大丈夫でした。
ブレーキドラムの中は水と泥が入っていましたが、重要なベアリングはシール・ベアリングを使用していたためか、水はシャットアウトしていたのです。
さすがは日本が世界に誇る品質と関心しました。


写真はありませんが、ガソリンタンクの中にも大量の水が入っていて、すでに内部は錆びに覆われていました。
タンク内の錆びは基本的に除去するのが難しいため、本来ならタンク交換をするのですが、とりあえず今は走らせたいとのことで、タンク交換はせず、このまま様子を見ながら使うことにします。


これで、一通りの作業は終わりました。
外した外装パーツを取り付けて完了です。


そして、いよいよ試運転に出発です。

flood bike14.JPG

その辺をぐるぐる走り回ってきました。
そして帰ってきてこの笑顔です。(爆)

flood bike15.JPG

やりました。
直ったんです。
あの新車の調子良さが戻ってきました。

誰かに直してもらったのではなく、自分で直したということで、私は心の底から嬉しかったのだと思います。

台風オンドイは、大きな爪あとをフィリピンに残しましたが、その後に残ったものは、人々が復興へと向かう希望なのですね。
私も自分でバイクを修理しようと決めたのは、台風なんかに負けないぞ、という気持ちがあったからでしょう。


とにかく、これでデリバリー・バイク2台体制に戻りました。

flood bike16.JPG

左が、今回修理した、ホンダ 「 ウェーブ100 」、 右はホンダ 「 ブラボー100 」です。
2台ともホンダです。(・・・汗)
( スズキさん、ごめんなさい )




実は、この日の夜に、もうひとついいことがありました。
なんと、女房のマリセルの誕生日だったのです。

展示会の大成功と、バイクの復活という運気の上昇もあり、この夜は大奮発して、家族でレストランへ出かけました。

maricel birthday.JPG

子供たちも大好きなスパゲティーを目の前にして大喜びです。
何よりも、病気で苦しんでいたマリセルが、このスペシャル・イベントを元気に喜んでいました。
( まだ、耳鳴り・難聴はありますが、仕事にも戻っています。ご心配をいただきました皆様に厚く御礼を申し上げます )


しかし・・・・・
家族の笑顔を見て・・・・・
一番嬉しかったのは、私に他なりません。

これこそが、頑張る源なのでしょうね。








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posted by Happy Cream Puff at 05:58| Comment(20) | TrackBack(0) | 起業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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