2009年08月09日

サインボードへの煮えたぎる想い ( 中編 )



それでは前回の続きです。

「 Happy Cream Puff 看板物語 」を書いていきます。


この写真は、少し前までここで営業していたカフェのものです。

signboard 3.JPG

お店の上部に看板のスペースがあります。 ( 街路樹がかぶさっていて見えにくいです )
解りにくいのですが、このカフェは看板を出していませんでした。
ガラスに店名を書いたポスターを内側から貼り付けているだけです。
ここのテナント物件のガラスはすべてスモークガラスなので、内側から張ったポスターは暗くて読みにくいですね。
側面はどうかというと、やはり看板は無くガラスの内側にポスターが貼ってあるだけです。

これでは、ここでカフェが営業しているということが全然わかりません。


それでは、視野を広げて、このマンションのテナント全体を見てみましょう。

signboard 1.JPG

この写真はデラローサ通りに面したテナントさんが並んでいます。
もちろんデラローサ通りに面しているので、一等地と言っても差し支えないと思います。
小さくて解りにくいので、店舗部分をズームアップしてみましょう。

signboard 1-zoomup.JPG

この写真は見れば見るほど不思議な写真です。
そうです。
7軒のテナントさんが入っていまして、全てが営業していて、看板を出しているのは右端の2軒だけです。
一番右が、 「 マーキュリー・ドラックス 」 というフィリピン最大の薬屋さんチェーンです。その隣は 「ハードウエア 」とありますように建設資材屋さんです。
一番左の角が、上記のカフェ (現Happy Cream Puff )です。

もう一枚の写真は、このマンションの側道の部分です。

signboard 2.JPG

右端が看板取り付け中のHappy Cream Puff です。
やはり、ここに入っているテナントさんも看板を出していないんです。
ちなみに看板を出していないところにも全部お店が入っていて、空物件ということではありません。
普通では、こんな光景はありえないことです。
一等地で商売をしながら看板を出していないとはどういうことなのでしょうか。


「 看板 」

それは商売をする上で何よりも大切なものと、私は理解しています。
たとえば、スターバックス・コーヒーがあるとします。
あの、「 STARBUCKS COFFEE 」と緑色に輝く看板がなかったらどうなりますか。
そこにスタバがあるということに誰も気が付かないでしょう。
あのなんとも知れない緑色の看板に誘われて、お客様は自然とスタバさんに引き寄せられているのです。


私は、このカフェ物件を最初に見に行った時に、メインのデラローサ通りに面している入り口の上部と、側道の上部にも看板のスペースがすでにあることに注目しました。
つまり、目立つ場所にいかに上手に看板を出すかで、商売が順調に発展していくかを見なければならないということに気が付いていました。
私は、今まで信じられないほど厳しい状況をいくつも克服してきました。
すでに、このフィリピンでどのようにしたら商売が繁盛するのかも直感と経験を持って考えればある程度は解ります。 ( もちろん、フィリピンですから何が起こるか解りませんけど・・・ )

ですから、私はこのカフェ物件を見に行ったその夜に、撮ってきた写真に看板を合成したイメージ図を作ってイメージを頭の中で完成させ、どれだけのお客様がご来店になるかというところまで考えに考え抜きました。
そして、その考えができるのは、世界中で私しかいません。
Happy Cream Puff をここまで作ってきた私だけがこのイメージを見て、そこでの商売繁盛を想像できるのです。


繰り返しますが、商売は看板ありきです。

前カフェオーナーさんがどんな理由で看板を出さなかったのかを当時は知りませんでしたが、せっかくの一等地にお店を構えながら、そこから撤退しなければならなくなった理由は、看板が無かったことが最大の要因と思われます。

ほとんどのテナントさんが看板を出さなかった理由。
それを知った時には私も驚きました。

ちょっと悪言い方をすれば、そのコンドミニアム ( マンション )を管理している企業が、なるべく看板を出させないようにしているということです。
つまり、看板使用料が信じられないくらい高額なのです。
おまけに、一年一ヶ月分を前払いしなければなりません。
フィリピン最大の薬屋さんチェーンなら払えるでしょう。
未だにマンション建設ラッシュが続いている、このレガスピ・ビレッジにある建設資材屋さんも支払えます。
しかし、一般の個人商店レベルで商売している店舗では、とてもじゃないけど先払いができる金額ではありません。
その現実が、上記の看板が無いお店が並んでいる写真ということになります。

それなら、Happy Cream Puffならその高額な看板使用料が払えるのでしょうか?
常識的には、払えない金額です。

ビジネスは裕福な人達にしかできないものではありません。
お金は無いけど、自分の商売に夢をもって、自分の力で果敢にチャレンジし、道を切り開いていくものです。
大変な道のりではありますが、素晴らしい人生を作っていくことができます。
そういう人達の夢を応援するのが、コンドミニアム ( マンション ) の一階部分にテナントを作り、お店を営業させてくれるその企業の責任なのだと思います。
当然、看板使用料は家賃と同じように毎月払いにして、入居のテナントさんが無理なく支払えるようにしてあげることが、人間としての優しさではないのでしょうか。

この企業の幹部の方達が、上記の看板の無いお店がズラーと並んでいる写真を見て、うちらのコンドミニアム ( マンション ) は何か違うなと気が付いてくれれば嬉しいのですが・・・・・


悔しい気持ちを抑えつつ、私は看板を出すお金をかき集めて、この巨大企業の看板使用料を支払いました。7月29日のことです。
どんなにその金額が高くても、看板が 「 ある 」 のと、「 無い 」のとでは、100倍の集客の差があることを知っています。
看板が無いお店で、一日一人のお客様がくるとすれば、目立つ看板のあるお店には、一日100人のお客様がご来店になる可能性があります。

繰り返しになりますが、この目抜きのデラローサ通りの角地のお店で成功するには、看板が命なのです。


しかし、私の戦いは、ここから始まるということを、その時は知り得ませんでした。

看板使用料を払い終えた時に、先方の会社から適切なアドバイスを貰えなかったのが事の発端でした。
これは、巨大企業にありがちな官僚主義によって引き起こされる過ちです。
担当者レベルでは何も決定権がありません。
巨大企業だからこそ、現地のマンションに出張の事務所が置いてあるにもかかわらす、本社事務所と現地の出張所の間を30回も往復させられるテナント借主の労力と気持ちを考えたことは無いのでしょうか。

私は毎日毎日、 「 看板 」「 看板 」と祈っていました。
とにかく8月1日の仮開業に合わせて看板が取り付かないと大変なことになります。
看板の無いお店では、シュークリームが全然売れないことが解っていたからです。

7月31日に、発注してあった看板素材も出来上がってきて、「 よし取り付けだ! 」といってマンションの運営事務所に 「 看板取り付け許可証 」 をもらいに行きました。
すると、担当の方は驚くべき言葉を平然と言いました。

「それでは、今から看板の契約書を作りますので、1週間お待ち下さい」
なんと、お金を全額払い込んでから、何のアドバイスも無く、また2日が経過してしまいました。

「 でも、支払いが済んでいるので、看板を取り付けても構わないですよね? 」とお聞きしましたら、

「いかなる場合でも、契約書を取り交わすまでは、一切看板の取り付けはできません」
という厳しいお返事をいただきました。

前回の記事にも書きましたが、小さい個人商店などでは、商売ができない期間が長引くのは本当に命取りになりかねません。
一日でも早い開業を祈っている個人商店主の気持ちを考えようにも、官僚主義の会社にはできる余地すらありません。

開業できないことで毎日数万円の損失が発生しますが、それでも私は我慢の日々を過ごしました。
そして、8月7日(金)、待ちに待った看板契約書にサインを取り交わし、看板取り付け作業が始まりました。

その後に起こる大事件を、そのときは知る由もありませんでしたが・・・・・
その事件とは、本当にこのマンション経営の会社に人間の心が無いことを証明するものとなりました。



今回の看板にまつわる出来事は、このHappy Cream Puff レガスピ・ビレッジ店の最大の攻防線であることに間違いはありません。

物語はさらに続くのですが、長くなりましたので、ここで一旦アップします。

続きは、次回に後編として締めくくりたいと思います。







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posted by Happy Cream Puff at 21:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 起業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サインボードへの煮えたぎる想い ( 前編 )


サインボード

日本語で言えば 「 看板 」 ですね。

今日の記事は、その看板にまつわる涙の記事を書いてみたいと思います。



その前に、8月1日に仮開業してからの状況をレポートしておきます。

前回のブログ記事に冒頭に、アキノ元大統領へのお悔やみの言葉を書きました。
つまり、今から振り返りますと、アキノ元大統領がお亡くなりになった日にレガスピ・ビレッジ店を仮開業してしまったということになります。

私は、日本人ですから、いくらフィリピンに暮らしているといってもフィリピン人の心の中を理解することは難しいのかもしれません。
アキノ元大統領の死去は、フィリピン国民に最大の悲しみをもたらしました。
これほどまでにも国民に愛されていて大統領だったということを思い知らされることになりました。

私自身も、人生最大のミスを犯していたとは、この時には全然気がつきませんでした。
つまり、8月1日にレガスピ・ビレッジ店を、たとえ仮であっても開業させるべきではありませんでした。
8月1日から、すべての国民の意識は、この今世紀最大の葬儀に集中していました。

私は、このときばかりは、「 Happy Cream Puff 」 というブランド名を恥ずかしく思いました。
8月1日からは、シュークリームの販売が激減しました。
レガスピ・ビレッジ店だけでなく、本店でもあるTHE ZONEにあるお店の方でもシュークリームが売れなくなりました。
新店であるでレガスピ・ビレッジ店は、この1週間で本当にわずかだけシュークリームを売っただけという悲惨な結果になりました。


前回の記事にも書きましたが、今回のレガスピ・ビレッジ店は 「 居抜き物件 」の店舗でした。
もちろん居抜きに入ることのメリットはたくさんあります。
すでにそこにあるお店なので、各種免許や証明書等の手続きが簡単だったり、簡単な内装工事だけ済ませてすぐに営業を始められる、とか、居抜きである分、新規でお店を始めるより格段に出店費用を抑えられるというようなことなどです。

実は、私もこの物件において、遅くとも7月18日くらいの開業を考えていました。
私も限られた予算の中でお店を作らなければなりませんし、何より「 居抜き物件 」の危険なところは手に入れた瞬間から家賃や光熱費が発生してくることです。
開業が長引けば、命取りになります。
すばやい手続きと、簡素な店内改装を経て、速やかにお店を開けるつもりだったのです。

ところが、すべての関係機関が、私のところへ、まるで 「 そこでお店をやることはままならぬ 」 と言って牙をむいてきたのです。
フィリピンでこんなに叩かれたのは初めてかもしれません。

速やかに開業するどころか、弱いものいじめが始まりました。
小さな個人商店が、新しいお店を開くことを夢に見て、一日でも早く商売を始めようとしているだけです。
多くの人達が待ち望んでいるお店を、人々が買いやすい場所に出そうとしているだけです。
何も、そこでいかがわしい商売をしようとしている訳ではありません。
この国は、ある意味腐っています。
正直で真面目に生きている人間を動物のように扱っていい訳がありません。

お金持ちだけが優遇され、お金が無い人は粗雑に扱われます。
「 ○○○を払わないと証明書を発行しないぞ 」 とは、いったい何様のつもりなのでしょうか。

私は、今回の出店作業では、本当に心が折れました。
フィリピンの人は、誰も私に協力してくれないと感じました。

私も今年でマカティに2店という相次ぐ出店をしているためにお金も全然ありません。
居抜きの店舗ですばやい開業をしなければ大変なことになります。
フィリピンの銀行にも何度も融資の相談に行きました。
事業が好調なこともあって、どこの銀行の担当者もにこやかに対応してくれました。
そして、いつも最後にこう言われるんです。

「 融資をすることは可能です。
で、家と土地の担保はありますか??? 」

そんなもんあるわけないです。(泣)


興奮して話がちょっとそれてしまったようです。
すいません。

つまり、なかなか出店準備がはかどらずにどんどん経費ばかり飛んでいき、毎日毎日開業できない日が過ぎていき、私は胃に穴が空きそうなほど疲弊していきました。

そして、看板すら無い中、もう後が無いというところまできてしまい、8月1日にお店を開けたのです。
満を持して開業したとたんに、フィリピン中が喪に服しました。

大ピンチです。


私には、大きな夢があります。
ですから、どんな困難に直面しても、どんなにいじめられても、くじけることはありませ。
絶対に負けません。

今回の出店作業で、黒く汚れたお役所の内部とか、完璧な官僚主義に大企業の心の無い ( お客様への ) 対応を見せつけられました。

そんな困難の中をくぐりぬけて作り上げたお店こそ、本当に輝く価値があるんだと信じて進んでいきたいと思っています。


ちょっと、今日は、心の中に溜まっているものを吐き出させていただいたようです。
看板のお話を書こうと思っていたのですが、とりあえず長くなりましたので、ここで一旦アップしておきます。

続きは、なるべく早いうちに書きたいと思います。(汗)






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posted by Happy Cream Puff at 06:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 起業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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